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【日次レポート(06/19)】BTCは105K回復試すも重く、需給冷却と指標弱含みで方向感欠く展開

本日の注目ポイント

  • BTCは104,900ドルで引け、105Kドルの回復を試みるも移動平均線を下回り、上値の重さが目立つ展開
  • オンチェーン活動は取引件数と平均サイズがやや増加し、投資家の関心が徐々に戻りつつある兆候
  • 米経済指標は総じて軟調で、景気減速への警戒感が残る中、利下げ観測が支えとなる可能性

本日の経済イベントと市場反応

6月18日に発表された米住宅着工件数・建設許可件数が予想を大きく下回り、市場では米景気の減速が強く意識されました。
また、外国人による対米証券投資も市場予想を下回り、リスク回避姿勢が広がりやすい環境となっています。
米ドル指数(DXY)は小幅に反発する場面も見られたものの、全体として弱含みの推移。
米10年債利回り(US10Y)もわずかに低下し、引き続き利下げ観測が根強い印象です。

1. 価格とテクニカル動向

  • 終値:$104,909(+0.29%)
  • 高値/安値:$105,565 / $103,537
  • 移動平均線:EMA(7日)= $105,719、SMA(25日)= $106,291(いずれも下回る)
  • ローソク足の特徴:長めの下ヒゲを伴う陽線で、安値からの反発意欲はあるが、上昇の勢いには欠ける

価格は短期・中期の移動平均線の下に位置しており、目先の反発があってもトレンド転換を示唆するにはやや力不足です。

2. デリバティブ市場の動き

  • 建玉(OI):33.49B(やや減少、ポジションの縮小傾向)
  • ロング清算:$93.7M
  • ショート清算:$27.3M
  • Funding Rate:-0.0006(マイナス圏に入り、強気バイアスがやや後退)

ロング(買い)ポジションの巻き戻しが目立ち、清算額も大きめとなっています。資金調達率も低下しており、過熱感は後退してきています。




3. オンチェーン分析

  • Net Realized Profit/Loss(NRPL):+257.3M(利確優勢、投資家心理はまだ楽観的)
  • 取引所Netflow:-1,434 BTC(取引所からの流出超過、売り圧力の後退傾向)


指標 数値 コメント
取引件数 181,652件 前日比微増で、ユーザーの活動がじわりと増加
総取引量(USD) $12.02B 前日比でやや増加、取引の回復基調がうかがえる
平均取引サイズ $65,252 中規模の取引が主導、機関投資家の動きも示唆か



4. 本日のまとめと展望

BTCは105Kドルを一時的に回復する場面もありましたが、上値は重く、方向感に欠ける展開が続いています。
テクニカル面では移動平均線を下回って推移しており、強い上昇トレンドへ転換するにはさらなる材料が必要です。

オンチェーンでは、取引所からの資金流出が続いており、売り圧力が軽減している点は中長期的にポジティブと捉えられます。
一方で、デリバティブ市場ではロングの巻き戻しとFunding Rateのマイナス転化が確認され、
投資家の強気姿勢はやや後退しています。

マクロ環境としては、米経済指標の弱さが意識されており、今後の利下げ期待が価格の下支え要因となる可能性もあります。
ただし、すぐに上昇トレンドへと移行するというよりは、「次の材料待ち」といった慎重なムードが広がっています。

相場雑感

全体としては「売り込まれるほどではないが、積極的に買う理由も乏しい」状態。
市場参加者は材料不足の中、ポジションを軽くしつつ、次のイベントや価格の動きに備えている様子です。

明日の注目イベント(06/20 木)

  • 21:30 フィラデルフィア連銀景況指数

市場の景況感や製造業セクターへの見方に影響を与えやすく、ドルや金利への波及が意識されます。

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※本レポートに掲載しているデータは、CryptoQuantTradingView、米政府統計機関等の公開データをもとに作成しています。

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