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【日次レポート(6/23)】ビットコインは102Kドル割れ、オンチェーン軟調で下落トレンド継続か

本日の注目ポイント

  • ビットコインは100,683ドルで着地し、7EMA・25SMAの両方を下回る弱含み展開
  • Funding Rateが-0.0051%へ急低下し、ショート傾斜が鮮明に
  • ロング清算が2.6億ドルを超え、下落局面での巻き込み増加
  • オンチェーンではNRPLが引き続きプラスながら、取引規模・件数ともに減少傾向
  • ドル円は円安方向への兆し、原油も続伸でリスク資産には選好ムード

本日の経済イベントと市場反応

主要な経済指標の発表はなく、週末のポジション整理が中心。米10年債利回りと株価指数に大きな動きは見られず、静かな市場。

1. 価格とテクニカル動向

  • 終値:$100,683(前日比 -0.31%)
  • 高値:$101,630 / 安値:$100,527(値幅:約1,100ドル)
  • 移動平均:EMA7(102,736ドル)、SMA25(105,126ドル)をいずれも下回る
  • ローソク足:実体のある陰線で引け、売り圧力の継続を示唆

6月23日のビットコインは下落し、終値は100,683ドルと前日比-0.31%のマイナスで引けました。
日中の値幅はおよそ1,100ドルにとどまり、狭いレンジ内での推移となりました。
7日EMAおよび25日SMAの両方を明確に下回っており、短期・中期的な下落トレンドが継続しています。
ローソク足は実体のある陰線を形成しており、買い支えが弱く戻りの鈍さが目立つ展開です。
下方向への警戒感が強まる中、次のサポートラインとして100,000ドルの大台が意識される場面となっています。

2. デリバティブ市場の動き

■ Funding Rate(資金調達率)

2025年6月23日のFunding Rateは-0.0051%とマイナス圏に急低下し、ショートへの傾きが強まりました。7日移動平均(-0.00037%)および30日移動平均(+0.0026%)と比べても下振れが大きく、売り圧力の増加が示唆されています。

■ ロング/ショート清算
  • ロング清算:2.64億ドル(前日比で増加)
  • ショート清算:1.22億ドル(前日比で微減)

価格下落に伴いロングポジションの清算が増加。一方、ショート清算は限定的で、下方向への動きが優勢となりました。これは、相場の一時的な調整ではなく、より深い調整局面への警戒を強める材料となり得ます。


■ Open Interest(未決済建玉)

未決済建玉(OI)は32.44Bと前日比で微減。7日SMA(33.39B)および30日SMA(35.12B)を下回っており、上昇基調に陰りが見え始めています。ポジション整理の動きが強まりつつある一方で、依然として高水準にあり、突発的なボラティリティの可能性にも留意が必要です。

3. オンチェーン分析

  • NRPL(Net Realized Profit and Loss): 3.2億ドルの実現利益を計上(前日比でやや上昇傾向)。トレンドとしては小幅な利確が続いているが、利益規模は限定的。
  • ネットフロー: +1,937BTC(わずかに取引所への流入超過)。14日SMA(-1,007BTC)との乖離から、市場への供給圧力が短期的に高まった可能性。


項目 傾向
平均取引額 48,911ドル やや低下(中型取引主体)
取引件数 158,747件 減少傾向
取引総額 7.76億ドル 大幅減少

オンチェーンデータは総じて軟調な動き。実現利益は継続しているものの、金額は縮小しており、市場全体として様子見ムードが広がっている。ネットフローは再びプラスに転じ、若干の売り圧力を示唆。取引規模・件数・総量ともに下振れ傾向が顕著で、リスク回避の姿勢が続いている。



4. マクロと関連市場の動向

  • ドル円(USD/JPY): 146.59円で小幅下落。7EMAが25SMAを上抜ける形となっており、円売りの流れに。
  • 原油(WTI): 終値75.70ドル、+2.36%。25SMAと100SMAのゴールデンクロスが目前、リスクオン要素強め。
  • VIX(恐怖指数): 20.61と横ばいだが、微増。リスク選好がやや後退した可能性。
  • 金(XAU/USD): 3,352ドルで反落。上昇トレンドは継続するも、一服感。

リスク資産にはやや選好ムードが見られる一方で、VIXや金の動向からは警戒感も一部残存。為替・コモディティ市場では方向感がやや見え始めた印象。




本日のまとめと展望

6月23日のビットコインは、100,683ドルで引け前日比-0.31%と下落。値幅は1,100ドルと狭く、弱含みの値動きが続きました。テクニカル的には主要移動平均線を下回り、陰線形成で戻り売りが意識されやすい状況です。

デリバティブ市場では資金調達率がマイナス圏に急低下し、ロング清算が増加。OIも減少しつつある一方で依然高水準であり、さらなるボラティリティ発生の余地を残しています。

オンチェーンでは、NRPLが引き続きプラス圏を維持するも、全体的な取引量と件数の減少がリスク回避姿勢の継続を示唆。様子見ムードが市場全体に広がっています。

マクロ環境では、原油価格の続伸やドル円の円安傾向がリスクオンの側面を見せつつも、VIXや金の動向には警戒感もにじみ、相場全体に方向感のなさが漂っています。

相場雑感

ETFフローが一巡し、半減期後の需給テーマも織り込みが進む中、現在の市場は材料難と低ボラ期特有のだらだら下げモードに突入した印象。100,000ドルが意識される心理的節目である一方、明確な押し目買いも入らず、投資家の手控えが続いています。

デリバティブ市場ではロングの巻き込み清算が断続的に続き、ポジション整理の様相が色濃くなっています。逆張りのチャンスを模索する投資家もいる中で、ボラティリティが低下した状態では機動的な判断が求められます。

マクロ環境は静かでありつつ、原油高やドル円の動きはリスク選好を支える側面もありますが、VIXや金の反発は油断ならないシグナルでもあり、今週後半の経済指標や要人発言が転機となるか注視が必要です。

今週の注目イベント

  • 06/24 23:00(JST)米・中古住宅販売件数
  • 06/25 21:30(JST)米・実質GDP(1Q・確報)
  • 06/26 21:30(JST)米・耐久財受注(前月比)
  • 06/27 21:30(JST)米・PCEデフレーター(前年比)
  • 06/27 21:30(JST)米・PCEコアデフレーター(前年比)

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※本レポートに掲載しているデータは、CryptoQuantTradingView、米政府統計機関等の公開データをもとに作成しています。

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