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【日次レポート(6/25)】BTC106,000ドル台回復、平均取引額増と米株高 今夜の原油統計に注目

本日の注目ポイント

  • BTCは106,000ドル台を回復し、25日SMA・7日EMAを上抜けたことで、短期的な買い優勢の兆し。
  • オンチェーンデータでは大型取引主導の資金流入が継続。平均取引額上昇が目立つ一方、取引件数は低調。
  • 米長期金利(10年債)は4.29%で横ばい、インフレ期待は小休止。
  • 米株(SPX・NASDAQ)は堅調に上昇。仮想通貨市場にもリスクオンムードが波及。
  • 本日深夜の米在庫統計(原油・ガソリンなど)に注目。特に原油価格の急変がビットコイン市場に波及する可能性。

本日の経済イベントと市場反応

日付 指標 結果 予想 市場反応
6/23 中古住宅販売件数 4.00百万件 3.90百万件 ほぼ無反応(織り込み済)
6/24 経常収支(1Q) -4,502億USD -4,435億USD 影響軽微
6/24 S&Pケースシラー住宅価格(前年比) +3.42% - ややインフレ警戒感(株式は上昇)
6/24 消費者信頼感指数(CB) 93.0 99.7 大幅下振れ → 金利低下・BTCに追い風
6/24 リッチモンド連銀製造業指数 -7.0 -9.0 若干改善も反応限定的

1. 価格とテクニカル動向

  • 終値:$106,269(前日比 +$110.47 / +0.10%)
  • 高値/安値:高値 $106,314、安値 $106,066
  • 値幅:248ドルと狭いレンジでの推移
  • 移動平均との位置関係:
    • 短期EMA(7日): $104,921
    • 中期SMA(25日): $105,465
    • 現在価格は両MAを上回って推移しており、短期反発の兆し
  • ローソク足の形状とモメンタム:
    • 上ヒゲ/下ヒゲの短い陽線で、下値の固さと買い支えを示唆
    • EMA7を上抜けし、25SMA上でも推移しており、短期的にはポジティブな動き

2. デリバティブ市場の動き

■ Funding Rate(資金調達率)

2025年6月24日時点での資金調達率は-0.0010%とマイナス圏に突入しました。7日・30日SMAともにフラットないしマイナス領域で推移しており、ショートポジションへのプレミアムが継続していることを示唆します。短期的な弱気バイアスが優勢となっています。

■ ロング/ショート清算
  • ロング清算額:約10.4百万ドル
  • ショート清算額:約18.0百万ドル

ショート清算額がロングを上回っており、直近の上昇に対して踏み上げの影響があった可能性があります。価格が短期的に反発したタイミングでショートカバーが誘発されたと考えられますが、全体としては低水準であり、過熱感は限定的です。


■ Open Interest(未決済建玉)

OIは335億ドルと依然として高水準を維持しています。短期・中期の移動平均をやや上回る水準で推移しており、強気の建玉が一定程度残っていることを示唆しています。ただし価格がヨコヨコの状態であり、新規ポジションの方向感には注意が必要です。

3. オンチェーン分析

NRPL(Net Realized Profit and Loss)

6月23日時点のNRPLは+7.0億ドル($704M)と、依然としてポジティブな利益確定傾向が続いています。
市場全体としてはプラス圏を維持しつつも、利益幅は前週より縮小しつつあり、利確と買い戻しのバランスが意識される展開となっています。

ネットフロー

6月23日の取引所純流出量は -6,253 BTC となり、売り圧力よりも引き出し優勢の状況が続いています。
これは中長期の保有姿勢を示唆しており、需給面では引き締まり傾向が確認されます。

4. トランザクション動向

6月24日時点のトランザクション関連データは以下の通りです。件数はやや減少したものの、平均取引額が増加し、総額は回復傾向を示しました。

項目 傾向
平均取引額 74,333ドル 増加傾向(大型取引が主導)
取引件数 149,626件 減少傾向(取引活動鈍化)
取引総額 111.2億ドル 回復傾向(数量より単価の影響が大)



5. マクロと関連市場の動向

市場 最新値 前日比 トレンド
NASDAQ100(NDX) 22,190.52 +334.19(+1.53%) 最高値更新中、リスクオン
S&P500(SPX) 6,092.18 +67.01(+1.11%) 上昇継続、景気期待強め
米10年債利回り(US10Y) 4.296% ±0.00% 横ばい継続、インフレ期待安定
米ドル/円(USD/JPY) 144.84 -0.05(-0.04%) 高止まり、介入警戒感あり
WTI原油(USOIL) 65.13 +0.17(+0.26%) 急落後の反発、地政学リスク注視
VIX(恐怖指数) 17.49 -2.33(-11.76%) 投資家心理は楽観継続
BTCドミナンス 65.31% +0.03(+0.04%) 上昇継続、アルト弱含み
DXY(ドルインデックス) 97.916 -0.054(-0.06%) 下落トレンド継続、ドル安圧力
GOLD(ドル建て金) 3,326.86 +3.34(+0.10%) 底堅く推移、安全資産需要




本日のまとめと展望

ビットコインは調整後の回復基調を強め、再び移動平均線上に位置。これにより短期的な上昇トレンドへの転換可能性が高まりつつあります。デリバティブ市場ではロング清算が減少し、ポジションの落ち着きも見られます。

オンチェーンでは、大口投資家の動きに支えられて平均取引額が大きく上昇。反面、取引件数の減少は個人投資家の様子見スタンスを示唆しています。マクロ面では米国株の上昇が支援材料で、VIX(恐怖指数)の急低下もリスク選好の地合いを強調します。

今後は、今夜発表される原油在庫統計を皮切りに、インフレ圧力の再燃リスクに警戒が必要です。週後半に向けては金曜のPCEデフレーターに注目が集まり、上昇基調を維持できるかの試金石となるでしょう。

相場雑感

現状のビットコインは、「悪材料を織り込んだあとの買い戻し」が継続している印象を受けます。ファンダメンタルズでは大きな変化がない中でも、テクニカルとセンチメントが市場を支えている状況です。

個人的には、今週の上昇が持続的なトレンド回帰か、それともショートカバーに過ぎないのかを見極める必要があると感じています。今夜の原油統計や、今週末のPCE指標を経て、市場の「真の方向性」が浮かび上がるかもしれません。

今日の注目イベント

  • 23:30(JST)米・住宅建築許可件数(確報値)
    前回:1,393千件 / 予想:1,393千件 — 速報から変化なし。反応は限定的か
  • 23:30(JST)米・原油在庫(前週比)
    前回:-1,147.3万バレル / 予想:未定 — 価格へのインパクトが強く、原油・インフレ期待に影響
  • 23:30(JST)米・ガソリン在庫(前週比)
    前回:+29.0万バレル / 予想:未定
  • 23:30(JST)米・留出油在庫(前週比)
    前回:+51.4万バレル / 予想:未定 — 景気動向を示す指標として注目

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※本レポートに掲載しているデータは、CryptoQuantTradingView、米政府統計機関等の公開データをもとに作成しています。

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