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【日次レポート(6/26)】米指標はまちまち、ビットコインは高値圏を維持しつつ上値模索が続く展開に

本日の注目ポイント

  • ビットコインは107,000ドル台を維持しつつも上値の重さが継続、方向感乏しい展開に。
  • 米耐久財受注は予想を上回るも、出荷の鈍化や経済減速懸念がくすぶる。
  • 米10年債利回りが下落、ドル指数も下値を試す動きで、リスク資産にとっては好環境継続。
  • VIX(恐怖指数)は16台半ばまで低下し、投資家センチメントは引き続き楽観ムード。
  • BTCドミナンスが上昇傾向を維持し、アルトへの資金流入は限定的なまま。

本日の経済イベントと市場反応

日付 指標 結果 予想 市場反応
6/25 住宅建築許可件数(確報) 1,394千件 1,393千件 速報値と一致、材料視されず
6/25 新築住宅販売件数 623千件 700千件 大幅下振れ、景気懸念も反応は限定的
6/25 原油在庫(前週比) -583.6万バレル -105.0万バレル 在庫減で原油価格上昇、BTCにもやや好影響
6/25 ガソリン在庫(前週比) -207.5万バレル +40.0万バレル 予想外の大幅減、インフレ圧力に警戒感
6/25 留出油在庫(前週比) -406.6万バレル +51.4万バレル 急減で景気減速と供給懸念が交錯

1. 価格とテクニカル動向

  • 終値:$107,468(前日比 +$83.94 / +0.08%)
  • 高値/安値:$107,669 / $107,384
  • 値幅:285ドルと非常に狭いレンジでの推移
移動平均との位置関係
  • 短期EMA(7日): $105,767
  • 中期SMA(25日): $105,580
  • 現在価格は両MAを上回って推移しており、引き続き短期的な上昇モメンタムが意識される展開
ローソク足の形状とモメンタム
  • 上下のヒゲが非常に短く、実体部分が中心に位置する「コマ足」型の陽線
  • 売買エネルギーが均衡しており、方向感に欠けるが、終値が高値圏に位置する点は強気のサイン
  • 5営業日連続で7日EMAを上回って引けており、短期的には上昇圧力が継続している

2. デリバティブ市場の動き

■ Funding Rate(資金調達率)

2025年6月25日時点の資金調達率は -0.00134% と依然としてマイナス圏にあり、ショートポジションへのプレミアムが継続していることを示しています。SMA(7日)は -0.00038%、SMA(30日)は +0.00223% と、短期と長期でバイアスに乖離が見られます。短期的には弱気バイアスが根強いものの、中期的にはややポジティブな傾向も残存しています。

■ ロング/ショート清算
  • ロング清算額:$9.79M
  • ショート清算額:$47.16M

ショート清算額がロングの約5倍となっており、直近の上昇局面では空売り勢の踏み上げが発生したと考えられます。清算規模としてはやや活発ですが、全体として極端な過熱感は確認されていません。


■ Open Interest(未決済建玉)

2025年6月26日時点でのOI(Open Interest)は $350.44B に達しており、依然として高水準を維持しています。SMA(7日)$337.42B、SMA(30日)$348.71B をやや上回る水準で推移しており、市場参加者の強気姿勢が一定程度残っている状況です。

ただし、価格はレンジ内の動きが続いており、新規ポジションの方向感に対して慎重な姿勢も見受けられます。

3. オンチェーン分析

NRPL(Net Realized Profit and Loss)

6月25日時点のNRPLは+15.0億ドル($1.50B)と大幅な利益確定が継続。前日の+7.0億ドルから倍増し、投資家の利益確定意欲が高まったことを示しています。価格上昇とともに、過去ポジションの利確が進んだ結果と考えられます。市場は一旦の利益確定局面を迎えている可能性があります。

ネットフロー

6月25日のネットフローは-1,970 BTCと依然として流出超が続いており、取引所への入金よりも出金が優勢です。この傾向は、中長期保有者の姿勢やセルフカストディの志向が強いことを反映しています。需給の引き締まりが価格下支え要因として意識されます。

4. トランザクション動向

6月25日時点のオンチェーンデータでは、平均取引額が引き続き高水準を維持しており、大口投資家による活動が活発であることが示唆されています。一方で、取引件数は減少傾向にあり、個人投資家の参加意欲にはやや慎重さが見られる状況です。

これにより、全体の取引総額は単価主導で回復しているものの、市場の広がりという観点では限定的といえます。特に短期的な値動きにおいては、大口プレイヤーの影響力が強まっており、市場のボラティリティが高まりやすい環境とも読み取れます。

今後は、個人投資家の取引件数が回復基調に転じるか、または平均取引額がさらに拡大するかによって、オンチェーンの強弱感が左右される展開が予想されます。

項目 数値 前日比・補足
平均取引額(USD) $73,503 大型取引が継続、大口主導の地合い
取引件数(件) 203,556 やや増加、個人参加も底堅く推移
取引総額(USD) $14,208,017,525 大口のフロー継続、相場を下支え



5. マクロと関連市場の動向

米10年債利回りが低下を続け、ドルインデックスも下落基調にある中で、リスク資産全体への追い風が意識されつつあります。特にVIX(恐怖指数)の継続的な低下は、市場参加者のセンチメントが安定していることを示唆しており、ビットコインや米株にとってポジティブな環境が続いています。

一方で、原油価格は依然として急落の影響を引きずっており、景気やインフレ動向を巡る不確実性も残ります。金価格は堅調ながら横ばいを維持しており、明確なリスクオフの流れは見られません。ドル円は円高気味に推移しており、為替市場ではドル売り圧力が意識されています。

総じて、マクロ環境はリスク選好が継続する一方で、インフレや経済成長に関する指標次第では市場の転換もあり得る状況です。今後の経済指標と地政学的要因が、現在の安定したセンチメントを維持できるかのカギとなりそうです。

指標 終値 前日比 概要
米10年債利回り(US10Y) 4.277% -0.014pt (-0.33%) 利回り低下。EMA割れで金利低下基調続く
米ドル指数(DXY) 97.473 -0.236 (-0.24%) 下落トレンド継続。リスク資産には追い風
金(XAU/USD) 3,333ドル +1.02 (+0.03%) リスクオフの動きは限定的。横ばい推移
原油(WTI) 65.02ドル +0.14 (+0.21%) 小幅反発だが前日の急落からは回復鈍い
恐怖指数(VIX) 16.75 -0.74 (-4.23%) センチメント改善が進み市場は楽観ムード
S&P500(SPX) 6,092 -0.02% 直近高値圏での横ばい推移。方向感に欠ける
ナスダック100(NDX) 22,237 -0.21% やや軟調も高値圏は維持
米ドル/円(USD/JPY) 144.85円 -0.22% ドル安進行中。円高圧力がやや優勢
ビットコインドミナンス(BTC.D) 65.71% -0.01% BTC中心の相場継続。アルト資金流入は限定的




本日のまとめと展望

米国経済指標はまちまちの結果となったが、耐久財受注の予想超えをポジティブに受け止める一方で、
インフレ鈍化の継続や経済活動の減速懸念も引き続き意識される状況が続いています。
これを受け、米10年債利回りやドル指数は下落し、仮想通貨などリスク資産にとっては買いやすい地合いが継続中です。

ただし、ビットコイン価格は高値更新に至らず、短期的なレジスタンスを意識した横ばい推移が続いています。
デリバティブ市場でもロング勢の清算が一定程度見られ、短期需給にはやや過熱感が残る印象です。
オンチェーンでは取引規模の低下やフローの静寂感が見られ、中長期投資家層の積極的な動きは限定的。
週末にかけてはPCEデフレーターなどの重要指標も控えており、再び動意づく可能性もあります。

相場雑感

短期的にはテクニカル節目でのもみ合いが続いているものの、
ファンダメンタルズは徐々にリスクオン寄りに傾いてきている印象です。
特に、米金利・ドル安・VIX低下の3点セットはBTCにとって中期的にポジティブな材料。
ただし、ロングポジションの偏りが続く限り、急騰よりも「ジリ高・押し目調整」的な展開が想定されます。
アルトコインに資金が回るにはもう一段のBTC調整・利益確定の進行が必要となりそうです。

今日の注目イベント

時間(JST) 指標 前回値 予想値 概要
21:30 米・実質GDP(第1四半期・確報値) -0.2%(年率) -0.2% 下振れ懸念が後退、影響は限定的か
21:30 米・耐久財受注(前月比) +0.6% +0.8% 景気感応度が高く、市場の注目度あり
21:30 米・耐久財受注(除くコア) -0.2% +0.2% 企業投資の先行指標として注目
21:30 米・新規失業保険申請件数 245千件 244千件 雇用の底堅さを確認できるか
23:00 米・中古住宅販売成約指数(前月比) -6.3% -0.2% 不動産市場の動向として注目

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※本レポートに掲載しているデータは、CryptoQuantTradingView、米政府統計機関等の公開データをもとに作成しています。

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