未分類

【日次レポート(6/27)】米指標まちまち、BTCは106,000ドル台で横ばい推移続く展開

本日の注目ポイント

  • ビットコインは106,000ドル台で横ばい、上値は重く一時108,000ドル超えも反落。
  • 米耐久財受注が+16.4%と大幅上振れ、景気後退懸念を一時的に後退させる結果に。
  • 一方で、GDP確報値は-0.5%と大幅下振れし、成長鈍化への警戒感もくすぶる。
  • デリバティブ市場ではショート清算が優勢、建玉も増加傾向でポジションは強気寄り。
  • マクロ環境は金利低下・ドル安・VIX低下と、BTCには引き続き追い風の地合い。

昨日の経済イベントと市場反応

時刻(JST) 指標 前回 予想 結果 市場反応
21:30 実質GDP(前期比年率・確報) -0.2% -0.2% -0.5% 大幅下振れで景気減速懸念が強まる
21:30 卸売在庫(前月比・速報) +0.2% +0.2% -0.3% 在庫調整進み需給環境の変化を示唆
21:30 耐久財受注(前月比・速報) -6.3% +0.8% +16.4% 大幅上振れで景気の底堅さを印象付け
21:30 耐久財受注(除く輸送・速報) +0.2% +0.1% +0.5% 設備投資の回復を反映、ポジティブ要因
21:30 新規失業保険申請件数 245千件 244千件 236千件 雇用の強さ継続、ドル支援材料に
23:00 中古住宅販売成約指数(前月比) -6.3% -0.2% +1.8% 住宅市場の持ち直しを示す好材料

1. 価格とテクニカル動向

  • 終値:$106,944.97(前日比 -$439.25 / -0.41%)
  • 高値/安値:$108,316 / $106,649
  • 値幅:約1,667ドルのやや広いレンジで推移
移動平均との位置関係
  • 短期EMA(7日): $105,636.51
  • 中期SMA(25日): $105,559.89
  • 現在価格は両移動平均線を上回って推移しており、依然として上昇トレンドを維持している
ローソク足の形状とモメンタム
  • 上ヒゲが長く、やや陰線寄りのローソク足で、短期的な売り圧力が確認される形状
  • 調整が意識されるものの、終値は依然としてテクニカル的な支持線上で踏みとどまっている
  • 5営業日連続でEMAを上回って引けていたが、本日は利益確定売りの影響も見られる

2. デリバティブ市場の動き

■ Funding Rate(資金調達率)

2025年6月26日時点の資金調達率は +0.00045% と小幅ながらプラス圏に浮上。SMA(7日)は -0.00028%、SMA(30日)は +0.00203% と、短期と中期で強弱感が分かれる状況です。ポジションバランスは中立〜やや強気へ傾きつつあるものの、勢いは限定的です。

■ ロング/ショート清算
  • ロング清算額:$9.79M
  • ショート清算額:$47.16M

ショートポジションの清算がロングの約5倍に達し、直近の上昇局面で空売り勢が巻き戻された可能性が示唆されます。ただし、清算規模としては過去と比較しても平均的で、極端な過熱感は見られません。


■ Open Interest(未決済建玉)

2025年6月26日時点での未決済建玉(OI)は $34.70B に到達し、SMA(7日)$33.69B、SMA(30日)$34.66B を上回る水準で推移しています。ポジションは増加傾向にあり、一定の強気姿勢がマーケットに残存していると考えられます。

ただし、価格がレンジ内での推移にとどまっている点から、新規エントリーの様子見ムードも見受けられます。

3. オンチェーン分析

NRPL(Net Realized Profit and Loss)

2025年6月25日時点のNRPL(実現損益)は +15.0億ドル($1.50B)に達し、前日の +7.0億ドル から倍増しました。これはビットコイン価格の上昇に伴って多くの投資家が利益確定を進めた結果と考えられ、短期的には調整リスクにも留意が必要です。

ネットフロー

同日(6月25日)のネットフローは -1,970 BTC と大きな流出超を記録しました。これは、取引所への入金よりも出金が大きかったことを意味し、セルフカストディ(自己保管)志向の強さや長期保有意欲が反映されていると考えられます。需給の観点では価格下支えの要因となる可能性があります。

4. トランザクション動向

6月25日時点のオンチェーンデータでは、平均取引額が引き続き高水準を維持しており、大口投資家による活動が活発であることが示唆されています。一方で、取引件数は減少傾向にあり、個人投資家の参加意欲にはやや慎重さが見られる状況です。

これにより、全体の取引総額は単価主導で回復しているものの、市場の広がりという観点では限定的といえます。特に短期的な値動きにおいては、大口プレイヤーの影響力が強まっており、市場のボラティリティが高まりやすい環境とも読み取れます。

今後は、個人投資家の取引件数が回復基調に転じるか、または平均取引額がさらに拡大するかによって、オンチェーンの強弱感が左右される展開が予想されます。

項目 数値 前日比・補足
平均取引額(USD) $73,503 大型取引が継続、大口主導の地合い
取引件数(件) 203,556 やや増加、個人参加も底堅く推移
取引総額(USD) $14,208,017,525 大口のフロー継続、相場を下支え



5. マクロと関連市場の動向

米10年債利回りが低下を続け、ドルインデックスも下落基調にある中で、リスク資産全体への追い風が意識されつつあります。
特にVIX(恐怖指数)の継続的な低下は、市場参加者のセンチメントが安定していることを示唆しており、ビットコインや米株にとってポジティブな環境が続いています。

一方で、原油価格は依然として急落の影響を引きずっており、景気やインフレ動向を巡る不確実性も残ります。
金価格は堅調ながら横ばいを維持しており、明確なリスクオフの流れは見られません。
ドル円は円高気味に推移しており、為替市場ではドル売り圧力が意識されています。

総じて、マクロ環境はリスク選好が継続する一方で、インフレや経済成長に関する指標次第では市場の転換もあり得る状況です。
今後の経済指標と地政学的要因が、現在の安定したセンチメントを維持できるかのカギとなりそうです。

指標 終値 前日比 概要
米10年債利回り(US10Y) 4.246% -0.045 (-1.05%) 利回り低下。EMA割れで金利低下基調続く
米ドル指数(DXY) 97.347 -0.362 (-0.37%) 下落トレンド継続。リスク資産には追い風
金(XAU/USD) $3,323 -4.63 (-0.14%) リスクオフの動きは限定的。横ばい推移
原油(WTI) $65.37 -0.21 (-0.32%) 小幅安。前日の急落からの回復鈍い
恐怖指数(VIX) 16.60 -0.15 (-0.90%) センチメント改善が進み市場は楽観ムード
S&P500(SPX) 6,141 +48.86 (+0.80%) リスク選好継続。直近高値を更新
ナスダック100(NDX) 22,447 +209.55 (+0.94%) 高値圏を維持し堅調推移
米ドル/円(USD/JPY) 144.535円 +0.188 (+0.13%) 横ばい圏内。方向感に乏しい
ビットコインドミナンス(BTC.D) 65.95% +0.23 (+0.35%) BTC中心の相場が続く。アルトの伸びは限定的




本日のまとめと展望

6月26日の米経済指標は強弱入り混じる結果に。耐久財受注が+16.4%とサプライズ的な上振れを見せた一方、GDP確報値は-0.5%と大幅な下方修正となり、米経済の減速懸念が再燃する形となりました。これにより、金利とドルは共に下落。ビットコインをはじめとするリスク資産にはポジティブに働く環境が継続しています。

ビットコイン価格は、終値が$106,944(-0.41%)とやや調整しながらも、短期EMA・中期SMAを上回る水準での推移を維持。テクニカル的には引き続き強気バイアスが残る状況です。ただし、ローソク足は上ヒゲの目立つ形状となり、利確の動きも確認されています。

デリバティブ市場では、ショート清算がロングの約5倍に拡大しており、先日の上昇局面での踏み上げが示唆されます。また、OI(未決済建玉)も増加傾向にあり、市場には一定の強気姿勢が残存しているといえるでしょう。ただし、価格が明確な上昇トレンドに入るには、さらなる出来高の伴う上抜けが必要です。

オンチェーンでは、NRPLが+15億ドルまで急増し、投資家による利確傾向が続いています。ネットフローも依然として流出超であり、セルフカストディ志向が強いままです。取引総額は大口中心で支えられている一方、取引件数の伸びは限定的で、市場の広がりには乏しい印象です。

本日はPCEデフレーターなどインフレ指標の発表を控えており、市場の反応次第では再び方向感が出る可能性も。週末前のポジション調整も加わり、神経質な展開が予想されます。

相場雑感

テクニカルでは引き続き中期的な強気基調が継続中であるものの、上値の重さと高値圏でのもみ合いが目立つ展開です。過熱感はデリバティブ市場にも現れており、ショートの巻き戻しが終わると、ロング側の利確による反落リスクも意識する必要があります。

一方で、マクロ環境は明確にリスクオン寄りです。米金利・ドル安・VIXの低下という3点セットは、仮想通貨市場にとってプラス材料であり、特にドル建ての資産に資金が流れ込みやすい局面と言えるでしょう。

しかし、アルト市場には資金が波及しておらず、BTCドミナンスが上昇している現状を見るに、市場全体のリスク選好はまだ限定的です。もう一段のBTC調整か、材料を伴う明確な上昇があって初めてアルトにも資金が流入する可能性が出てくるでしょう。

今日の注目イベント

時刻(JST) イベント 注目理由 市場の見方
21:30 PCEデフレーター(前年比) FRBが注視するインフレ指標 予想2.3%。下振れれば利下げ期待が高まる
21:30 PCEコアデフレーター(前年比) インフレの基調を示すコア指標 予想2.6%。鈍化傾向が続けば株式市場に追い風
21:30 個人所得・支出(前月比) 消費動向・家計の健全性を測る基礎指標 予想はともに+0.2%。横ばい推移で景気維持観測
23:00 ミシガン大学 消費者信頼感指数(確報) 消費者マインドの確定評価 60.5予想。改善傾向維持でセンチメント改善材料に

関連記事もCheck!

※本レポートに掲載しているデータは、CryptoQuantTradingView、米政府統計機関等の公開データをもとに作成しています。

-未分類