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【日次レポート(06/20)】BTCは105K下回るも崩れず、オンチェーン回復、需給は冷却感続く

■ 本日の注目ポイント

  • BTCは小幅に続落し終値$104,637、105Kドルを下回るが底堅い推移
  • Funding Rateはプラス圏回復、清算額は減少し過熱感の後退が鮮明に
  • オンチェーンでは取引件数・取引量ともに回復傾向が強まる
  • 米10年債利回りやドル指数が緩やかに低下し、マクロはBTCに追い風

本日の経済イベントと市場反応

6月19日に発表された米経済指標は、軒並み市場予想を下回る弱い結果となりました。

  • 小売売上高(コア含む):-0.1%、-0.3%(予想未達)
  • 住宅着工・建設許可:いずれも予想を下回り、住宅市場の減速が明確に
  • 鉱工業生産:-0.9%と大幅マイナス、製造業の弱さも浮き彫りに
  • 対米証券投資:-78億ドル、資金流入の弱さが継続

これらの結果を受け、FRBの9月利下げ観測が強まりつつあります。なお、今夜(6月20日21:30 JST)には「フィラデルフィア連銀景況指数」の発表が予定されており、ドルや金利への影響が注目されます。

① 価格とテクニカル動向

  • 終値:$104,637(前日比 -0.05%)
  • 高値/安値:$104,687 / $104,628(狭いレンジでの推移)
  • 移動平均線:EMA(7日)= $105,254、SMA(25日)= $105,923(どちらも下回る)
  • ローソク足の形状:小陰線、ヒゲ短くモメンタム低下を示唆

上昇への勢いは見られず、方向感に欠ける展開が継続しています。25日SMAの下で推移しており、反発には明確な材料が必要です。


② デリバティブ市場の動き

  • オープンインタレスト(OI):横ばい圏(やや減少傾向)、建玉の圧縮が継続
  • ロング清算:$8.1M
  • ショート清算:$4.1M
  • Funding Rate:+0.0027(小幅プラス回復、需給バランス中立化)

ロング優勢だった資金調達率がややフラットに戻りつつあり、強気バイアスは一服。極端な偏りは薄れ、様子見姿勢が強まっています。




③ オンチェーン分析

  • Net Realized Profit/Loss(NRPL):微プラス、利確優勢続くもピーク感あり
  • Exchange Netflow: -1,030 BTC(流出超、売り圧力は後退)


指標 数値 コメント
取引件数 183,200件 前日比増加、ユーザー活動回復
総取引量(USD) $12.48B 中口〜大口が主体
平均取引サイズ $68,100 機関の存在感も引き続き



④ マクロと関連市場の動向

  • 米10年債利回り(US10Y):4.39%(前日比 -0.004pt)
    わずかに低下し、金利ピークアウト感が意識される動きに。リスク資産には支援材料。
  • 米ドル指数(DXY):98.62(-0.16%)
    反発も力弱く、依然として下落基調が継続。ドル安がBTCを下支え。
  • VIX(恐怖指数):20.13(-6.76%)
    市場のリスク許容度は高く、株式市場も底堅い展開。
  • ナスダック(NDX):21,719(-0.00%)/S&P500(SPX):5,980(-0.03%)
    いずれも横ばいで推移、調整の色合いも見られるが、全体としては堅調維持。
  • ゴールド(XAUUSD):$3,368(-0.07%)
    BTCと並びインフレヘッジとして安定推移。高値圏を維持。
  • 原油(WTI):$73.80(-0.01%)
    エネルギー市場は強含み、インフレ再燃リスクも一定意識される状況。
  • ドル円(USD/JPY):145.17円(-0.18%)
    為替はやや円高方向へ。日本勢のBTC需給には追い風要素。




本日のまとめと展望

BTCは105Kドルをわずかに下回って終了したものの、値動きは限定的で、底堅さを維持しています。テクニカル的には短期・中期の移動平均線を下回っており、上昇に向けたモメンタムには欠ける状況です。

オンチェーンでは取引件数やボリュームが増加しており、ユーザー活動の回復が明確になってきています。一方、デリバティブ市場ではFunding Rateがプラス圏を維持しつつも清算額は縮小傾向にあり、ポジション整理が進行中です。

マクロ面では、米経済指標の軟化が続く中で、金利やドルの下落がビットコインにとって支援材料となっています。今後の方向感は、6月PMI速報やフィラデルフィア連銀景況指数など、景況感に関する経済指標次第で大きく変動する可能性があります。

相場雑感

テクニカルにもマクロにも「極端な方向感はない」中で、市場参加者はポジションの傾きをフラットに戻す動きに出ているように見えます。材料不足の中、需給は落ち着いており、ボラティリティも限定的。

この静けさは次の「インパクトある指標」や「予期せぬニュース」によって破られる可能性があり、週末に向けて市場は慎重姿勢を強めている印象です。買いも売りも「様子見」のバランスが支配しており、突発的な材料が出るまでは持ち合いの展開が続きそうです。

■ 明日の注目イベント(06/21 金)

  • 米国の6月PMI速報(製造業・サービス業)

インフレ・景気のバロメーターとして注目。FRBのスタンス修正や金利見通しへの影響が警戒されます。

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※本レポートに掲載しているデータは、CryptoQuantTradingView、米政府統計機関等の公開データをもとに作成しています。

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