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【日次レポート(6/24)】BTCは100,780ドルで反発も戻り鈍く、ショート優勢継続

本日の注目ポイント

  • BTCは100,780ドルで小幅反発も、主要移動平均線の下で推移
  • Funding Rateは-0.0047%でマイナス圏継続、ショート優勢の構図
  • Open Interestは微増し、静かな建玉積み上げが続く
  • オンチェーンではNRPLが引き続きプラス、取引件数やボリュームは回復傾向
  • ドル円・原油は高止まり、VIXと金は安定推移で外部環境は穏やか

本日の経済イベントと市場反応

6月23日(月)に発表された米・中古住宅販売件数は、予想390万件に対して結果は400万件と上振れとなりました。

市場反応は限定的で、ビットコインや株式指数に目立った動きは見られず、方向感に欠ける展開が続きました。本日以降の重要指標の発表を控え、リスク資産市場はやや様子見姿勢が強まっています。

1. 価格とテクニカル動向

終値:$105,390(前日比 +0.01%)

高値:$105,576 / 安値:$104,999(レンジ幅:約577ドル)

移動平均:EMA7($104,280)、SMA25($105,369)

ローソク足形状:下ヒゲを伴う陽線。終値は25SMA直上で引けており、サポートとして機能する可能性も。

6月24日のビットコインは前日比ほぼ横ばいの+0.01%で推移し、終値は105,390ドルとなりました。日中の値幅は約577ドルとやや限定的な動きにとどまりました。

テクニカル的には、7日指数移動平均線(EMA)を上回り、25日単純移動平均線(SMA)もわずかに上抜けた水準で引けています。これは短期的には反発の兆しと見られますが、明確な上昇トレンド転換には至っていない点には留意が必要です。

ローソク足は下ヒゲを伴う陽線で、日中に一時的な売り圧力を受けつつも反発して引けたことを示しています。100Kドル台後半の水準がサポートとして意識されている様子がうかがえ、今後の方向性を占う重要な局面です。

2. デリバティブ市場の動き

■ Funding Rate(資金調達率)

2025年6月24日のFunding Rateは-0.0079%と、前日からさらにマイナス幅を拡大し、ショートポジションの優勢が一段と強まっています。
7日SMA(-0.0013%)や30日SMA(+0.0023%)と比較しても大幅に下方乖離しており、センチメントの悪化が顕著です。

■ ロング/ショート清算

ロング清算:3,0656万ドル
ショート清算:1億4,685万ドル

6月24日は、価格が反発した影響でショート清算がロングの約5倍に達し、急激な巻き戻しが発生しました。
これにより、ショート勢の損切りによるショートスクイーズの兆候が一時的に見られたものの、上値は限定的で、持続性には不透明感も残ります。


■ Open Interest(未決済建玉)

未決済建玉(OI)は32.71Bと前日比では横ばい。
7日SMA(33.21B)および30日SMA(34.98B)を引き続き下回る状況が続いています。
市場参加者が慎重姿勢を崩しておらず、短期的なボラティリティはやや落ち着いている印象です。

3. オンチェーン分析

NRPL(Net Realized Profit and Loss)
6月23日時点の実現損益は +7.0億ドル と、前日から利益確定が再度拡大しました。7日EMA(+5.6億ドル)を上回る水準を維持しており、市場全体では一定の利確トレンドが続いている様子です。価格下落時でもプラス圏を保っており、含み益がまだ残存している投資家の存在がうかがえます。

ネットフロー
6月24日の取引所ネットフローは +2,359BTC と再び流入超。14日SMA(-1,181BTC)との乖離が拡大しており、供給圧力の上昇が警戒されます。売り需要の顕在化とともに、短期的な天井感を示唆する可能性もあります。


項目 傾向
平均取引額 74,333ドル 増加傾向(大型取引が主導)
取引件数 149,626件 減少傾向(取引活動鈍化)
取引総額 111.2億ドル 回復傾向(数量より単価の影響が大)

オンチェーンデータからは、利確は継続するものの勢いは限定的で、むしろ大型の取引単位が増加する一方、件数は減少しており、アクティブアドレスの減少や売買の見送り傾向を映しています。ネットフローの流入超過と相まって、マーケットにはやや警戒感が漂い始めた印象です。



4. マクロと関連市場の動向

  • ドル円(USD/JPY): 終値は145.65円で前日比-0.32%。7EMA(145.46円)と25SMA(144.31円)の両方を上回る位置で推移しており、上昇基調を維持。直近ではEMAがSMAを上抜けしており、円売りの流れが続いている。
  • 原油(WTI): 終値66.30ドルで前日比-1.36%。100SMA(65.85ドル)と25SMA(65.78ドル)の両方を上回っていたが、当日の急落により再び水準に接近。直近の急騰後の反落は調整局面の可能性も。
  • VIX(恐怖指数): 終値は19.82で-3.83%。21台から急落し、投資家のリスク許容度は上昇していると見られる。株式市場の落ち着きとリスクオンの兆候を示唆。
  • 金(XAU/USD): 終値は3,347.65ドルで前日比-0.64%。50SMA(3,323ドル)と200SMA(2,909ドル)を大きく上回る水準を維持しているが、やや上昇一服の様相。リスクオフの逃避先としての動きに一時的な陰りも。

全体としては、VIXの低下とドル円の上昇から、リスク資産に対する選好が強まっている印象。一方で、原油価格の下落や金の反落はリスク要因の存在を示しており、今後の経済指標やFRB要人発言に対する市場の反応に注目が集まりそうです。




本日のまとめと展望

6月24日のビットコインは100,780ドルで引け、前日比+0.10%と小幅な上昇を見せました。ただし、7日EMAおよび25日SMAはいずれも下回っており、短期的な下落トレンド内の反発と捉えられます。ローソク足は実体の小さな陽線を形成しており、値幅も限定的でした。

デリバティブ市場では、Funding Rateが引き続きマイナス圏で推移し、ショートへの傾きが継続。ロング・ショート双方で清算規模はやや縮小したものの、Open Interest(OI)は微増し、レンジ相場での静かな建玉積み上げが示唆されています。

オンチェーンデータでは、NRPLは2.8億ドルと実現利益が続いており、ネットフローは+1,200BTCで流入超過。取引件数・総額ともに回復傾向が見られる点はポジティブですが、取引規模は依然として控えめです。

マクロ環境では、WTI原油が続伸し、リスク資産への選好姿勢が継続。ドル円は147円台で高止まり、VIXや金は落ち着いた推移を見せており、外部環境は静穏な地合いです。今晩は経常収支や消費者信頼感など複数の経済指標が控えており、これらがリスクアセットにどのような影響を与えるか注視が必要です。

相場雑感

ビットコインは100Kドル台での滞留が続き、買い手・売り手ともに決定打を欠く展開です。下方向への意識は強いものの、Funding Rateのマイナス圏定着は既に織り込み済みの可能性もあり、過度なショートの積み上がりには注意が必要です。

取引件数と出来高の回復はわずかながら好材料であり、市場に再び関心が戻りつつある兆しともとれます。ただし、値幅の狭いレンジ相場が継続する限り、逆張り・短期トレード中心の相場となりやすく、突発的なボラティリティにも備える必要があります。

マクロ環境の変動が小さい今こそ、仮想通貨市場にとっては自律的な値動きが試される局面。ファンダメンタルズに大きな変化がない中、今週の米経済指標群がリスク選好の維持にどう影響するかがカギとなります。

今日の注目イベント

  • 21:30(JST)経常収支(前回:-3,039億USD、予想:-4,435億USD)
  • 22:00(JST)S&Pケース・シラー住宅価格指数(20都市・前年比)(前回:4.07%、予想:未発表)
  • 23:00(JST)コンファレンスボード消費者信頼感指数(前回:98.0、予想:99.7)
  • 23:00(JST)リッチモンド連銀製造業指数(前回:-9.0、予想:-9.0)

特に経常収支は米国の対外バランスを示す重要なマクロ指標で、為替や長期金利に影響を与える可能性があります。さらに、消費者信頼感指数は景気や消費の先行指標とされ、リスク資産市場において注目度の高い材料です。

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※本レポートに掲載しているデータは、CryptoQuantTradingView、米政府統計機関等の公開データをもとに作成しています。

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